ブルガダ珍道中  TOP回想≫2004年7月2日〜7月27日

2004年
 |6月9日〜6月20日6月21日〜7月1日|7月2日〜7月27日|退院後


2004年7月2日
サンリズム負荷テストを行いました。この検査は、「サンリズム」という薬を投与し、心電図を見るというものでした。

サンリズムは抗不整脈剤の一種で、安全な薬なのですが、ブルガダ症候群の人に使用すると、逆に不整脈を誘発してしまうそうです。
また、心電図に特徴的な波形が出るらしく、ブルガダ症候群の識別にこの検査が行われるそうです。


2004年7月3日〜5日
レート・ポテンシャルや、ヘッドアップティルト試験を行いました。
レート・ポテンシャルは、長時間心電図を着けて、波形を撮る検査……だったと思います。
ヘッドアップティルトは、足の付いたベッドに横になり、15分間その状態のあと、ベッドごと垂直状態になり、血圧や脈拍の変化や失神が起こるかどうかを30分間様子を見る検査でした。この検査では、「神経調節性失神」があるかどうかが判るそうでした。
自律神経が上手く働かないと、この神経調節性失神が起こりやすいそうです。


2004年7月6日
一番大きな検査である、心臓電気生理検査(EPS)を行いました。
これは、カテーテルを心臓の内部近くまで進め、心臓の電気信号を記録・解析することで、心臓の電気信号の状態を調べる検査だそうです。
心臓の電気信号は、脈拍(=ポンプ機能)をコントロールしていて、ブルガダ症候群は、この電気信号系統に異常があり、不整脈が起こりやすくなるらしい……です。

また、心臓に電気刺激を加え、不整脈が誘発されるかどうかのテストも行います。
通常なら、不整脈が誘発されることは無いのですが、ブルガダ症候群患者の場合は、ちょっとした電気刺激で不整脈が誘発されてしまいます。
その為、あらかじめ除細動(=電気ショック)の準備をして、検査に臨みます。

ちなみに旦那君は、この検査時にやっぱり誘発され、そして麻酔が効くより先に除細動処置を行われ 、カテーテルがトラウマになったそうです。
こ、怖い……Σ( ̄□ ̄;)


2004年7月7日
結婚二周年でした(笑)
行きがけに小田急でケーキを買って、簡単なお祝いをしました。
この日は特に検査もなく、のんびりと過ごしました。


2004年7月8日
心MRI検査を行いました。
この検査は、ブルガダ症候群ではなく、心筋症かどうかの識別検査の一環で行いました。

7月1日の先生の話で、「一番濃厚なのがブルガダ症候群、ただ、心筋症という可能性もある」と説明を受けました。
この心筋症の可能性を調べると言う意味で、心MRI検査、そして冠動脈造影検査も行いました。


2004年7月9日
冠動脈造影検査を行いました。
6日に行ったEPSのおかげで、かなりカテーテルが怖かったらしく、安定剤を処方してもらったそうです。
この検査で、ブルガダ症候群の識別検査が全て終わりました。


2004年7月10日
検査結果の説明がありました。
検査の結果、サンリズム負荷テスト、レート・ポテンシャル、ヘッドアップティルト試験、EPSにて陽性の結果が出ました。
心MRIの方は、特に問題はありませんでしたが、冠動脈造影検査で、若干の血管のれん縮が確認できてしまいました。将来的に、「血管れん縮性狭心症」になる可能性が、ごくわずかですが、あるとの事でした。
ただ、今回の心室細動の原因とは、おそらく無関係であろうとのことでした。

上記の結果から、ほぼブルガダ症候群であるとの結論に至りました。
来週、ICDの埋め込み式手術をおこなうとの説明があり、ようやく先が見えてきたぞ! と、嬉しかったです。


2004年7月11日〜15日
全ての検査が終わり、埋め込み手術を待つ一週間でした。
12日に、旦那君の両親を交えて、検査結果や今後の説明を受けました。

この週は、基本的にはのんびりと過ごしていました。主に、退院後のことを話したりしてました。
これからの事とか、心構えみたいなこととか。


2004年7月16日
ICDの埋め込み手術の日でした。
旦那君の両親と一緒に、手術の終わりを休憩ロビーで待っていました。
表面上は落ち着いていましたが、内心はドキドキでした。大丈夫、大丈夫。きっと大丈夫。と、時計と睨めっこをしながら待っていたように思います。

無事に手術は終わり、動作チェックも成功し、あとは最終動作チェックと退院を待つだけだ! と、心からホッとしたのを覚えています。


2004年7月17日
朝には病室に戻っていて、元気そうでした(笑)
「(ICD埋め込んだ所を)触ってみる?」と言ってくれたので、お言葉に甘えて触らせてもらいました。
四角く膨らんでいて、あ、ここに入ってるんだと素直に思いました。

肩の荷が降りた感じでした。そして同時に、気持ちを引き締めなおした日でした。


2004年7月18日〜22日
この週も、特にすることもなく、お見舞いに行っては他愛ないことを話し、週刊誌を読み、呑気にのんびりと過ごしました。

そういえば、救急救命の時にお世話になった先生が、ほぼ毎日様子を見に来てくれて、何だか嬉しかったです。
私が毎日居たりしたので、今でも忘れないのが、「本当にラブラブですねぇ」といった趣旨のお言葉を頂いたことです。
しかも八王子センターでも言われました(笑)


2004年7月23日
ICDの、最終動作テストがありました。
結果は無事に動作したとの事で、27日に退院出来ますとのことでした。


2004年7月24日〜26日
友達がお見舞いに来てくれたり、そしてお見舞いの定番ともいえる「丸ごとメロン」を貰ったりと、退院に向けてウキウキした気持ちで過ごしていました。
あとは、すっかり埃っぽくなった自宅の空気の入れ替えとか掃除とかをした……ような気がします(苦笑)


2004年7月27日
退院の日でした!
掛かった費用に、覚悟はしていましたが驚き、そしてかなり緊張しつつ、地下1階のキャッシュロビーから1階の会計へ早歩きをしました。あんな大金持って歩いたのは、人生はじめてでした(笑)

旦那君のお兄さんが、自動車で迎えに来てくれたのですが、旦那君は当初、電車で帰るつもりだったそうです。
本屋とかヨド○シとか、久しぶりの外の空気を堪能したかったらしいですが、即効で却下しました。当然ですが(笑)


二ヶ月近く入院していたのでやっぱり、随分と体力が落ちていました。
久しぶりに娘に会い、あまり表情には出しませんでしたが、やはり嬉しそうでした。
8月20日まで自宅療養でしたので、ゆっくりゆっくり、体力や生活リズムを戻そうねと話しました。


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